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キャンDキャンD-フェロモン女とヒールな彼-

かつて昭和な乙女心をわしづかみにした正統派少女マンガ「キャンディ・キャンディ」
(画:いがらしゆみこ 原作:水木杏子)。アメリカ・イギリスを舞台に、孤児院出身の
少女が送る波乱万丈な人生を描いた大作だ。不幸な境遇や次々と襲い来る運命のいたずらにもめげず、持ち前の明るさと根性で人生を切り開いていくキャンディ(そばかすがチャームポイント)、そんな彼女を支え、見守るのがイケメンな男子チームの方々。

おぼっちゃまなアンソニー、フレンドリーなステア、穏やかなアーチ、ちょっと不良なテリィ。後にウィリアム王子様(キャンディの人生に多大な影響を与えたお方)と判明する、自然と動物を愛するアルバートさんと、キャラも様々でさながらメンズカタログのよう。女子のあらゆる好みのタイプに対応するバリエの豊かさで、「私は誰々派」とかいう盛り上がる話題作りに一役買い、そこもヒットの一因を担ったのかもしれない。

しかしそんな中でひときわ輝いていた(私の中で)のが悪役のニール。キャンディがもらわれ、やってきた家の子供で、姉のイライザと共に、陰湿ないじめをキャンディに対し行う。この人、大人になってからチンピラにからまれているところをキャンディに助けられたのをきっかけに、彼女に惚れてしまう(もちろん相手にされず)のだ。部屋に閉じ込めてキャンディに無理矢理キスをしようとするのだがひっかかれたりして。そんなシーンにどきどきしていた子供心、別に「何だかんだ言っても俺のこと好きなんだろ?」系Sが好きというわけではない(たぶん)。

彼の魅力はこの「ダメさ」にある。キャンディとアルバートさんが同居しているアパートのまわりを嫉妬してうろついたり、強引に婚約披露パーティーを開いてみんなの前で振られたり。そんな「残念な感じの人」具合が、周りにいる昔の少女漫画ならではの「人間出来すぎ」な男性陣に比べ妙に人間くさくて、つるっとした2次元の中で彼だけ3次元で浮き出してくるかのよう。(ちなみにテリィもかなりダメな時期があるけど、なんだかんだ言って格好良い生き様なので)ヒーローものなどでも完璧な主人公より悪役の方にシンパシーを感じる人も多いらしいが、そんな理由なのだろうか?

そんなわけで悪役すら夢中にさせてしまうキャンディ。考えてみれば主要な登場男性はほぼ全員キャンディに惚れている。鼻ペチャで「容姿端麗」という設定ではないみたいなのに、恐るべし・・・。彼女の前向きな明るさと素直な性格にきっとみんな惹かれたのだわ、と子供心に思っていたが、大人になって考えるとそれだけでこんなに大勢にモテるとは無理があるのではと、ちょっとわかる。あの頃は「フェロモン」なんて言葉知らなかったなあ。と少しばかり甘酸っぱい思いに身を浸してみた。

キャンディ・キャンディ (1) 講談社コミックスなかよし (222巻)

いがらし ゆみこ / 講談社


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by ryokoubato | 2010-03-09 23:49 | ライフログ